帰ってこないお父さん-長時間残業の心理

こんにちは。
神奈川の心理セラピストのヤコーヒロコです。

リトリーブサイコセラピー®︎という心理セラピーで心のお悩み解決・自分の人生を生きるお手伝いをしています。

先日、人材派遣会社のパーソルから興味深い調査結果が発表されました。

その名も、

「残業は「集中」して「感染」する!?残業に関する調査結果を発表」

会社員6000人を対象に行われた調査を日本企業の残業の実態や発生要因、対策などを検証されたものになります。

調査によると、残業が蔓延する環境の実態として

・仕事がよく働く人に集中し、ワークシェアがうまくっていない
・「先に帰りにくい雰囲気」が残業発生の原因となっている
・ハードワークの上司の習慣が部下に継承されている

といったことがあげられています。
皆さんの中にも、こういった体質の企業で働いた経験がある方もいるのではないでしょうか?

長時間労働は体にも負担になりますし、好きで好きでたまらなく、寝食を惜しんでもやりたい仕事でもない限りは、幸福度や生活の質の低下にもつながりますよね。

さて、この研究の中で、興味深い数値がありました。

残業時間の長さに対する「幸福度」です。

月の残業時間が60時間までは幸福度が残業時間に反比例して下がっていくのですが、

残業時間が60時間を超える人達は、45~60時間の人達より幸福度が上がるのです

    (出典:パーソル総合研究所)

なんだか不思議ではないですか?

この結果について、パーソル総合研究所は

過度な長時間労働で感覚がマヒし、健康被害を軽視してしまう

と推察しています。

確かにそういった傾向もあるかもしれません。

でも、わたしはこんな可能性もあるのではないかな?と思うのです。

それは、

家に帰るより、仕事をしていた方が楽・幸せ 

という価値観の人達が一定層いるのではないか?

ということです。

あなたの周りにもいませんか?

・いつまで経っても帰らない上司
・なんでそんな時間に?という遅い時間に会議をしたがる上司
・仕事が早く終わってしまったら、周りの人をとにかく飲みに誘う上司

こういった上司たちにいったいなにが起こっているのでしょうか?

最近では若い世代の働き方に対する意識もだいぶ変わってきたなぁ、と肌で感じることも増えてきましたが、それでも40代前後くらいから上の世代はまだまだ

「長時間残業=頑張ってる」

という価値観を持っている人が多いな、と印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

中には、自分の部下が早く帰りたいから仕事を効率よく片付けると、
まだ余裕あるじゃないか、とさらに仕事の担当を増やしたり、頑張りが足りないんじゃないか、と評価を下げたりする人もいます。

こう言った傾向の人にありがちなのが、仕事以外に興味を持つ対象がない、ということです。

戦後〜高度成長期を体験した親と、その子供の世代でしょうか。

頑張ることが美徳であり、目先の楽しみにうつつを抜かすと、他人に追い越される!負けてしまう!といった一種の強迫観念のような価値観を持っていて、

とにかく猛烈に頑張れ!

そうすれば、欲しいものが手に入る、いいことが待っている!と刷り込まれて頑張ってきた世代です。

そういった価値観を持っている人にとって、家庭生活は仕事の邪魔をする煩わしいもの、であったりします。

また、仕事で頑張れば昇級や出世といった評価が付いてくるし、自分が会社にいる意義、俺が会社を回しているんだ、といった有能感を味わうことができるんですね。

でも、家庭では?

家事や子育ては家族生活を送るために必要なことであるのに、だれからも賞賛されない。
だから妻のやることだ、と家事育児全般を妻に押し付け、自分は会社で大きなことをやっているんだ、と家庭を顧みなかったりするわけです。

こうして家庭に置き去りにされた妻が孤独と不満を募らせていくのは当然のことです。

そして夫にとって、家庭は「極力いたくない場所」になるのです。

長時間残業は、この夫にとって「俺頑張ってる感」を感じられ、ピリつく家庭に身を置くいたたまれなさを感じなくて済む、格好の言い訳となり、快適な居場所となるのです。

このような仕事中毒で家には寝に帰ってくるだけののお父さんと、イライラする妻、という構図は日本中でよく見られる家庭の縮図です。

こういった男性の背景にはこんな環境で育ったという傾向が挙げられます。

・両親の夫婦仲が悪かった
・母親がヒステリックに子供を怒っていた
・男尊女卑の家庭に育った
・親が子供の感情を受け入れなかった(泣くな!男だろ!など)

こういった環境で育つと、人は自分の感情を抑圧するようになります。
自分の感情を感じなくするので、相手の感情にも鈍く、相手に寄り添うことができません。

また、自分が感情を出すことを許されてこなかったので、ヒステリックに怒る人や、泣いたり叫んだりする子供に耐えられないのです。

また、こういった家庭に育つと、家族と一緒に過ごす喜びを感じた経験も少ないため、家庭生活をおろそかにしやすいんですね。

このように、家庭の軋轢に耐えられない、イライラする妻が、泣く子供が面倒臭い、と強く感じ、そこから逃げようとする傾向がある人は 、実は

自分を責められるのが死ぬほど怖い

と心の奥底で思っています。

「責められるのがやだ」
「話し合いが面倒臭い」
「逃げたい」

と内心思っているので、不機嫌な妻や泣く子供を見ると、 自分が責められているような気がして 向き合うことを全力で避けるんですね。

そして「別に浮気をしているわけじゃないし、ちゃんと仕事しているんだから、いいだろう」とばかりに長時間職場に居続けるのです。

また、仕事に打ち込むことで、この人にとっては別の「いいこと」もあるんですね。

さて、長時間残業をすることで得られるもう一つの
「いいこと」=メリット
とは一体なんでしょう? 次回のブログでお話ししますね。

パーソル研究所のレポートはこちら

 
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