目の前の人は、別の人?

こんにちは。
心理セラピストのヤコーヒロコです。

東京・横浜でリトリーブサイコセラピー®︎という心理セラピーで、心のお悩み解決・自分の人生を生きるお手伝いをしています。

さて、今日は「目の前にいるその人は、その人自身じゃないかも?」という現象についてお話ししようと思います。

え、目の前にいる人が違う人ってこと?

霊とかお化けとか、オカルト的な話?

いえいえ、そうではありません。
心理のお話です。

とある会社で秘書の仕事をしているAさん(女性)。

人事異動で、新しい男性上司を担当することになって、急に上司との人間関係に悩むようになりました。

これまで担当してきたのは、営業畑出身の押し出しの強いタイプの女性上司だったり、仕事論や人材教育論をを熱く語るようなタイプの男性上司だったり、わりとよく喋る、活発なタイプの上司たちでした。

ところが、新しく担当することになった上司は

とーーーーっても穏やかで、とーーーーっても寡黙なタイプ。

社内でも人格者評判の人ですが、Aさんがこれまで担当してきた上司たちとは真逆のタイプでした。

確かに新しい人柄はとっても穏やかで、怒られたり、声を荒げられることも無いのですが、Aさんにはどこか冷たい人のように見えました。

そして、この上司は打合せや来客で席を外すことも多い一方、席にいる時はずーーーっとPCの画面を眺めていることが多いんですね。

そんな上司を目の前にすると、Aさんは

なんとなーく話しづらい。

というか、無駄話なんて一切したくないように見える。

話しかけたら、仕事の邪魔しちゃうかも・・・(仕事の用事で話しかけたいのに)

と、委縮するような気持を強く感じるようになっていきました。

このため、目の前に座っているにもかかわらず、仕事の用事はメールで連絡し、メールで返ってくる指示に従って仕事をこなす、という毎日を過ごしていました。

そして、

異動で上司の担当から外れた前任者とはうまくやっていたんだろうな・・・

本当は前任者にずっと担当してもらいたいと思ってたんじゃないかな・・・

だからこんなに押し黙っているのかな・・・

と上司と自分がかみ合わない理由を、前任者との関係に見い出し、前任者と自分を比較して落ち込むようになりました。

そうしてAさんは、ますます上司とコミュニケーションが取りにくくなり、上司が目の前に座っている時は緊張感で体が固まるような感覚と、自分は上司の秘書として不適格なんだという悲しさを覚えながら仕事をするようになりました。

Aさんにはいったい何が起こっているのでしょうか?

ところで、自分の心にあるものが外側に現れることを、心理用語で「投影」と言います。

この「投影」という現象が起きると、普段我慢していること、心の痛みなどが、誰かを目の前にした時に掻き立てられたりするんですね。

時に、人は他人に自分の中の思いを投影し、その人に対して

「この人はこういう人だ」

「この人がこんな表情をしているのは、○○と思っているからだ」

と思い込み、自分の中の感情や感覚を再体験します。

自分の中のそういった感情や感覚が強く残っていればいるほど、周囲の人にあなたの心の中のその人を投影しやすいのですね。

さて、それまで楽しくやっていた仕事が、一気に苦しいものになってしまったため、Aさんは新しい上司との人間関係について心理セッションを受けました。

状況を話していくうちに、実はこの緊張感と悲しさを自分の父親に対しても全く同じように感じでいたことがわかりました。

Aさんは、これまでの上司達とはタイプの違う、物静かな新しい上司に自分の父親を投影していたのです。

Aさんの父親は、穏やかな性格で、子供を怒鳴るようなことは無く、優しいのですが、仕事が忙しいことを理由に、Aさんに対してにこにこしながらも、どこか遠巻きに見ているような接し方をしていました。

そんな父親のことを、優しくて大好き!と思っていたAさんでしたが、Aさんの「大好き!」という思いに応えてもらえた、という感覚はほとんど無く、Aさんはいつしか「大好き!」という思いは受け入れてもらえないものなのだ、と思うようになりました。

そしてAさんは、自分が父親に対して

「お父さんのことは大好きで慕っているけど、近付くことができない」

という気持ちをずーっと持ち続けていたことに気づきました。

その「近付けない」という感覚にフォーカスしていくと、父親が自分に対して取っている距離よりも近づいてしまうと、

・拒絶されそう
・迷惑そうな顔をされそう
・邪魔だと嫌がられそう

と強く強く恐れる気持ちがあふれてきました。

そして、父親に対する

・本当は自分を見てほしかった
・本当は自分の「お父さん、大好き!」という思いを受け止めてほしかった
・本当は自分が娘として存在していることを喜んでほしかった

という強い思いを誰に遠慮することなく、感じて表現したのです。
そうすることで、これまで封じ込めてきた父親への思いが癒されていったのです。

セッションの後、Aさんは、寡黙で少し冷たく見えていた上司の、実は茶目っ気がある面や、こちらからコミュニケーションを取ろうとすれば、特に嫌な顔をすることも無く会話ができる面、などに気付くようになりました。

今では、上司に対して以前感じていた委縮するような気持ちをい感じることは無くなり、コミュニケーションも良好で、それまで憂鬱で辛く感じていた仕事が楽しくなっています。

実は・・・

このAさんとは、わたしのことです。

わたしは仕事を通じて、身を以て「投影」という現象を体験しました。
上司に父親を投影しなくなってからは、「いったいあれは何だったんだろう・・・」というくらい、上司とも接しやすくなり、格段に仕事もしやすくなりました。

あなたも、心の奥底でわだかまりを持っている「あの人」との思いにしっかり目を向け、

・悲しかった
・怖かった
・本当はこうしてほしかった

という感情や思いを認めて感じ切ることで、人間関係で繰り返しているお悩みを解決していくことができます!

そうすると、あれ?目の前の人が別人になったのかな?と思うくらい変わって見えたりすることもあるのですが・・・

違うんですよ。

あなたの心の中が変わるからなんです!!
 
 
 

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